檪野寺・木造弥勒如来坐像

78.6
 頭体を通じて一材造り、膝前両肩先などを別材で造るが、すべてケヤキ材で内刳りを施さない。膝前は大きな丸柄で体部に矧ぎつける。頭髪を彩色し肩や眼ヒゲを墨書するほかはすべて素木のままとする。膝底面の墨書によると暦應三年(一三四〇)に河合寺(同町大鳥神社の神宮寺)の弥勒仏として秀弁・長弁の二仏師によって制作されたことがわかる。  
〈膝裏・墨書〉
   敬白
  奉造立河合寺弥勒佛像一躯
 右 志 願 者為天下泰平伽藍安穏
 興隆佛法社壇繁昌諸人快楽
 勧進道俗男女奉 □造□立 等身
 弥勒尊像即 □録 結縁□□ 子
 安置御身□□ 祈二世悉地
 而己仍記勒之如件
暦應参年辰庚八月廿七日
   大佛師法橋秀弁
      僧長弁
   大願主阿闍梨
       宗舜
   并結縁衆□□          
        拝
        拝